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おしえてロコモティブシンドローム

3.予防

ロコモーショントレーニング
「ロコトレ」を紹介します

ロコトレとは

ロコモーショントレーニング[ロコトレ]は、ロコモティブシンドローム[略称:ロコモ、和名]を予防し、改善するための日本整形外科学会が提唱している運動です。高齢者でも実践できる簡単な運動内容であり、道具や広いスペースがなくても短時間で気軽に家の中で行えるため、日常的に続けやすいことが特徴です。

ロコトレでは「片脚立ち」と「スクワット」を行います。主にバランス能力や筋力を鍛えますが、結果として筋肉だけでなく、骨や関節、神経など加齢とともに弱くなっていく運動器を鍛えることを目的としています。また、ロコトレは運動機能の向上に加え、変形性関節症の症状改善にも効果が期待できます。

なお、足腰の筋力を強く保ちロコモを予防するためには、ロコトレ以外にもウォーキング、ジョギング、水泳、自転車、ジムトレーニングなど、楽しみながら続けられる運動を習慣づけることも大切です。

バランス能力と筋力を鍛える運動をしましょう

ウォーキング、ジョギング、水泳、自転車、ジムトレーニングなど、いろいろな運動を習慣づけましょう。

ロコトレ1[片脚立ち]

「片脚立ち」は、バランス能力や筋力を鍛えるためのトレーニングです。
片脚立ちをすると、足には通常の2倍の重力がかかり筋肉が収縮します。そのため、立っている側の太ももの付け根の骨が強くなりバランス能力も高まるので、転倒を予防し骨折リスクを少なくする効果が期待できます。
また、片脚立ちを続けていくと、歩く動作が安定して速く歩けるようになったり、階段の昇り降りもスムーズにできるようになります。

〈方法〉
① 転倒しないように、机や手すりなど必ずつかまるところがある場所で行います。
② 姿勢をまっすぐにして立ち、床が足につかない程度に片足を持ち上げます。
③ そのまま1分間保持します。
④ 足を替えて、同様に行います。

左右1セット、1日3回を目標に行います。指をついただけでもできる方は、机に指先をついて行ってもよいです。

ロコトレ1[片脚立ち]
注意すること

支えが必要な方は、十分に注意して、机に両手や片手をついて行ってください。

ロコトレ2[スクワット]

「スクワット」は、下半身全体の筋力を鍛えるためのトレーニングです。
スクワットを続けることで下半身の筋力がアップすると、「立つ」「座る」といった日常生活動作が安定します。また、ゆっくり行うことで柔軟性を高めるストレッチ効果も期待できます。

〈方法〉
① 肩幅より少し広めに足を広げて立ちます。つま先は30度くらい開いておきます。
② 手を前に伸ばしてバランスをとりながら、お尻を後ろに引くように身体をゆっくりとしずめます。
膝がつま先より前にでないように気をつけます。
③ ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
深呼吸するくらいのペースで、5~10回繰返し、1日2~3回を目標に行います。
注意すること
  • ● 動作中は息を止めないで行いましょう。
  • ● 負担がかかり過ぎるため膝は90度以上曲げないようにしましょう。
  • ● 太ももの前や後ろの筋肉にしっかりと力が入っていることを意識しましょう。
  • ● 支えが必要な方は、十分に注意して、机に手をついて行いましょう。
ロコトレ2[スクワット]
スクワットを行う際には、
正しいフォームを心がけることが大切

正しいフォームでスクワットを行うことによって、太もも前面の筋肉や太もも裏側の筋肉のほか、お尻の筋肉が鍛えられます。
正しいフォームで行わないと十分な効果が得られないばかりか、逆に膝を痛める原因にもなります。例えば、膝がつま先よりも前に出てしまうフォームでは膝に余計な負荷がかかってしまい、膝に痛みが出やすくなります。
また、スクワットの姿勢をとる際に、筋力の弱い女性は膝が内側に向いてしまいやすく、逆にO脚の方は膝が外側に広がってしまうことが多いため、注意が必要です。

正しいフォームで行いましょう。 正しいフォームで行いましょう。
スクワットがうまくできない場合は

スクワットのコツがつかめない場合や、支えがあっても上手に立てない場合は、イスと腰の位置より高い机を使って行ってみるとよいでしょう。

〈イスと机を使って行うスクワットの方法〉
① 背筋を伸ばしてイスに深く腰をかけます。肩幅よりも少し広めに足を開き、つま先は30度ほど外側に向けます。
② 両手を机について、ゆっくり立って、ゆっくり座ります。
③ これを繰り返します。
この場合も、立って行うときと同じようにつま先よりも膝が前に出ないように注意しましょう
支えがあっても立てない人のためのスクワット
ロコトレプラス

自身の体力に応じて可能であれば、ロコトレプラスとして、ふくらはぎの筋力をつけるヒールレイズ[かかと上げ]や下肢[太ももの付け根から足のつま先まで]の柔軟性、バランス能力、筋力を高めるフロントランジをさらに行うとよいでしょう。

ヒールレイズ
フロントランジ

監修:医療法人社団愛友会 伊奈病院 整形外科部長 石橋 英明先生