おしえて変形性膝関節症
2.変形性膝関節症の検査と治療
- 変形性膝関節症の検査
- リハビリテーションや装具による治療
- お薬による治療
- 手術による治療
リハビリテーションや
装具による治療
リハビリテーション
リハビリテーション[理学療法]は、変形性膝関節症の治療においてとても重要です。
患者さん自身が積極的にリハビリテーションに取り組むことで良い結果につながります。
医療機関で行われる主なリハビリテーションには、「筋力訓練」、「可動域訓練」、「膝の柔軟性を高める訓練」があります。
筋力訓練は、膝関節周囲の筋肉を鍛えて関節の動きや関節を支える機能を回復させるとともに、痛みの軽減にも有効です。
筋力訓練には、椅子に座って行う大腿四頭筋[太もも前面の筋肉]の訓練や、ハムストリング筋肉[太もも裏側の筋肉]も同時に鍛えるハーフスクワットなどがあります。
可動域訓練は、関節を動かせる範囲を大きくして、膝の曲げ伸ばしを回復させるために重要です。
可動域訓練には患者さん自身が行う訓練と、理学療法士が行う訓練があります。
膝の柔軟性を高める訓練には、足を伸ばして座った状態で足首を動かし、膝の後ろ側(関節包)をストレッチする方法があります。
装具による治療
変形性膝関節症の装具療法では、目的に応じて、足底板、膝軟性装具[サポーター]、膝硬性装具[機能的膝装具]、杖などが用いられます。
足底板は、足部につけてО脚を少し矯正することで、歩行時に膝の内側にかかる体重の負担を軽くする装具です。比較的初期から中期の変形性膝関節症に用いられます。
膝軟性装具は、膝の保温や安定感を高めるのに役立ちます。
膝硬性装具は、膝関節全体を金属やプラスチック製の装具でしっかり固定することで膝関節の安定性を高めます。
杖は、歩行時の補助具として身体を支え、転倒防止にも役立ちます。
監修:新潟医療福祉大学 教授 大森 豪先生
2020年12月作成