TOP > しっ得情報:ロコモティブシンドローム 学校健診から“座高”がなくなったのはなぜ?

しっ得情報

- ロコモティブシンドローム -

学校健診から“座高”が
なくなったのはなぜ?

座高はかつて
学校健診の必須項目だった

座高とは、背をまっすぐにして椅子に腰かけたときの椅子の面から頭頂までの高さ、すなわち座ったときの高さのことです。座高検査には「個人及び集団の発育、並びに体型の変化を評価できる」、「生命の維持のために重要な部分[脳や各種臓器]の発育を評価できる」、「子どもの発育値について統計処理をすることによって、集団の発育の様子が分かる」などの意義があるとされ1)、我が国では1937年から学校健診の必須項目として取り入れられてきました。

1) 文部科学省「今後の健康診断の在り方等に関する検討会(第6回)配付資料1,児童生徒の健康診断項目について1」

しかし、座高は発育の評価に有用という意見があるものの、これまで実際の指導に活用されることがほとんどありませんでした。さらに、子どもの発育を評価する上では座高よりも身長・体重の方がより重要であるという意見や、座高検査を省略しても良いという学校現場からの声なども多く、座高検査は2016年4月から学校健診の必須項目から削除されました。

しかし、座高は発育の評価に有用という意見があるものの、これまで実際の指導に活用されることがほとんどありませんでした。さらに、子どもの発育を評価する上では座高よりも身長・体重の方がより重要であるという意見や、座高検査を省略しても良いという学校現場からの声なども多く、座高検査は2016年4月から学校健診の必須項目から削除されました。

学校健診に運動器の項目が
新たに追加

座高検査が学校健診の必須項目から削除された一方で、運動器の項目が新たに加えられました。これは、主に背骨の状態、関節や筋肉の柔軟性、からだのバランスをとる力などを評価するものです。その背景の一つには、ロコモティブシンドローム[運動器症候群(略称:ロコモ)]があります。ロコモは骨、関節、軟骨、椎間板といった運動器のいずれか、あるいは複数に障害が起こり、「立つ」「歩く」といった機能が低下している状態を指し、特に高齢者では要介護や寝たきりを招く恐れがあります。しかし、最近では子どもにも運動器に関するさまざまな問題が増えてきており、その主な原因として子どもの運動不足などが指摘されています。子どものころからの運動不足は、基礎的な運動能力の低下により大人になっても運動不足につながりやすく、結果としてロコモやメタボリックシンドロームに発展しやすくなります。
このような課題について、学校でも何らかの対応をすることが求められてきた結果、その対応策の一つとして2016年4月から学校健診においても運動器のチェックが行われています。

学校健診における運動器に関する主な調査項目例 学校健診における運動器に関する主な調査項目例

出典:公益財団法人日本学校保健会「児童生徒等の健康診断マニュアル平成27年度改訂」(一部改変)

監修:医療法人社団愛友会 伊奈病院 整形外科部長 
石橋 英明先生

2019年4月作成