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- ロコモティブシンドローム -

ロコモとフレイルや
サルコペニアとの違いは?

生活機能障害を招き要介護状態に至る危険因子として、近年ロコモティブシンドローム[略称:ロコモ]のほか、フレイルやサルコペニアへの関心が高まっています。これらはいったいどのような状態を表すものなのでしょうか。今回はフレイル、サルコペニア、そしてロコモとの関係についてご紹介します。

フレイルとは

フレイルは「加齢に伴う予備能力低下のため、ストレスに対する回復力が低下した状態」を指し1)、要介護状態に至る前段階として位置づけられています。予備能力とは負荷に対する抵抗力[ある機能についての最大能力と日常活動に必要な能力の差]のことで、予備能力が低下すると無理や頑張りがきかなくなり、例えば通常の歩行では支障がないのに走ったり坂道を登るなどすると動悸や息切れやのため立ち止まってしまうことなどにもつながります。この状態が続くと、徐々に体が弱ってきたり、精神的にも鬱々としてきたり、外出が少なくなるなど社会的な意味でも弱ってきます。その結果、要支援、要介護状態につながる訳です。

1) 荒井秀典ら 編. 『フレイル診療ガイド2018年版』. 一般社団法人日本老年医学会、国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 2018.

フレイルとは フレイルとは

葛谷雅文. 日本老年医学会雑誌, 2009; 46(4): 279-285. より改変

サルコペニアとは

サルコペニアは高齢期にみられる骨格筋量の低下と筋力もしくは身体機能[歩行速度など]の低下を指します2)。原因はさまざまで、加齢に伴って生じる一次性[原発性]サルコペニアと、活動量の低下、栄養不足、疾患に伴って生じる二次性サルコペニアに分類されます。
一般的に加齢に伴い筋肉量が低下すると脂肪量、特に内臓脂肪が増加する傾向にあります。そうすると、サルコペニアと肥満もしくは体脂肪の増加を併せ持つ状態[サルコペニア肥満]に陥りやすくなり、生活習慣病に発展する危険性が高まります。また、見た目は太っていなくても、実は筋肉が減って脂肪が増えているサルコペニア肥満に陥っているようなケースもありますので注意が必要です。

2) サルコペニア診療ガイドライン作成委員会 編. 『サルコペニア診療ガイドライン2017年版』. 一般社団法人日本サルコペニア・フレイル学会、国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 2017.

サルコペニアとは サルコペニアとは
ロコモとの関係性は?

ロコモ、フレイル、サルコペニアは互いに悪影響を及ぼし合う関係にあります。なかでもロコモは最も広く運動器の脆弱化に関係しており、重症化するとフレイル、サルコペニアを来すと考えられます。将来の寝たきりを防ぐためには、ロコモを早い時期に察知し、早めに対策を講じることが重要です。そうすることで、フレイル、サルコペニア、そして要支援・要介護状態を予防することができるのです。

ロコモとの関係性は? ロコモとの関係性は?
寝たきりにならないために

ロコモの予防に取り組むことは、ロコモ、フレイル、サルコペニアの発症や悪化を防ぎ、寝たきり予防のための重要な対策となります。例えば、習慣的な運動やバランスのとれた食習慣、そして活動的な生活を送ることは、ロコモの予防に重要です。こうした生活は、骨粗しょう症や変形性膝関節症、そして高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病、認知症の予防にも繋がります。世界有数の長寿国である日本で生活する私たちの長い長い人生を元気に生き切るために、ロコモ予防を常に念頭に置きましょう。

寝たきりにならないために 寝たきりにならないために

監修:医療法人社団愛友会 伊奈病院 整形外科部長 
石橋 英明先生

2019年10月作成