TOP > おしえて変形性膝関節症:4.治療:2.保存療法[①リハビリテーション、②装具療法、③薬物療法]

おしえて変形性膝関節症

4.治療

保存療法
[①リハビリテーション、
②装具療法、③薬物療法]

①リハビリテーション

リハビリテーション[理学療法]は、変形性膝関節症の治療においてとても重要です。
患者さん自身が積極的にリハビリテーションに取り組むことで良い結果につながります。
医療機関で行われる主なリハビリテーションには、「筋力訓練」、「可動域訓練」、「膝の柔軟性を高める訓練」があります。

筋力訓練は、膝関節周囲の筋肉を鍛えて関節の動きや関節を支える機能を回復させるとともに、痛みの軽減にも有効です。
筋力訓練には、椅子に座って行う大腿四頭筋[太もも前面の筋肉]の訓練や、ハムストリング筋肉[太もも裏側の筋肉]も同時に鍛えるハーフスクワットなどがあります。

可動域訓練は、関節を動かせる範囲を大きくして、膝の曲げ伸ばしを回復させるために重要です。
可動域訓練には患者さん自身が行う訓練と、理学療法士が行う訓練があります。

膝の柔軟性を高める訓練には、足を伸ばして座った状態で足首を動かし、膝の後ろ側(関節包)をストレッチする方法があります。

医療機関では、このようなリハビリテーションが行われます
②装具療法

変形性膝関節症の装具療法では、目的に応じて、足底板、膝軟性装具[サポーター]、膝硬性装具[機能的膝装具]、杖などが用いられます。

足底板は、足部につけてО脚を少し矯正することで、歩行時に膝の内側にかかる体重の負担を軽くする装具です。比較的初期から中期の変形性膝関節症に用いられます。

膝軟性装具は、膝の保温や安定感を高めるのに役立ちます。

膝硬性装具は、膝関節全体を金属やプラスチック製の装具でしっかり固定することで膝関節の安定性を高めます。

杖は、歩行時の補助具として身体を支え、転倒防止にも役立ちます。

装具を使って、膝の負担をやわらげます
③薬物療法

変形性膝関節症の薬物療法には、「外用薬」、「内服薬」、「坐薬」、「注射」が用いられます。
それぞれの薬の特徴と注意点をふまえた上で、膝の状態と患者さんの希望、身体全体への影響を考え、医師と相談して症状に応じた適切な薬を選択することが大切です。

薬物療法にはこのような薬が使われています
外用薬(塗り薬・貼り薬)

変形性膝関節症の治療で用いられる外用薬には、塗り薬や貼り薬があります。いずれも皮膚から薬の成分が吸収されて膝関節に作用します。

塗り薬にはクリーム状、ゲル状、スプレー状などのタイプがあり、皮膚の状態や使い心地によって使い分けます。
貼り薬には温熱タイプと寒冷タイプがあり、患者さんの希望により使い分けが可能です。ただし、腫れや熱感がある場合は、寒冷タイプを使います。

外用薬は皮膚炎を起こす場合がありますが、使用回数など医師の指示を守り、かゆみやかぶれなどが起きたらすぐ医師に相談しましょう。

外用薬
内服薬・坐薬

変形性膝関節症に対する主な内服薬としては、炎症を抑える効果のある非ステロイド性消炎鎮痛剤が使われます。
また、近年では異なる作用機序のある薬も使われるようになっています。

坐薬は肛門から挿入し直腸の粘膜から成分が吸収されて作用を発揮します。内服薬と同様に非ステロイド系消炎鎮痛剤の坐薬が主に使われています。

内服薬や坐薬には、胃腸障害をはじめ肝臓や腎臓などに影響を及ぼす副作用がみられる場合があります。医師の指示を守って正しく使い、体調に変化があった時はすぐ医師に相談しましょう。

内服薬・坐薬
注射[局所注射・関節内注射]

変形性膝関節症の治療で用いられる注射には、「局所注射」と「関節内注射」があります。

局所注射は、膝関節周囲の腱や靭帯など、痛みのある場所に麻酔剤や消炎鎮痛剤(ステロイド剤など)を注入し、痛みや炎症を抑えます。

関節内注射は、膝関節内にヒアルロン酸製剤やステロイド剤などを注入し、痛みや炎症を抑えます。

注射

※ 感染の危険があるので、主治医の先生の指示に従ってください。

監修:新潟医療福祉大学 教授 大森 豪先生