おしえて骨粗鬆症
2.骨粗鬆症の検査と治療
骨粗鬆症の検査
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は自覚症状があらわれにくいため、 早めに検査を受けて自分の骨の状態を確認することが大切です。
検査方法には「骨密度測定」、「レントゲン検査」、「骨代謝マーカーの測定」などがあります。
骨密度測定
骨密度[骨の量]は主に「DXA(デキサ)法」、「MD法」、「超音波法」によって測定されます。
DXA法 【所要時間:5~10分程度】
エックス線を使って骨密度を測定します。
部位別の検査機器があり、体のほとんどの骨の測定ができる全身用のDXA法、前腕部の測定を行うDXA法などがあります。
一般的には、背骨や腰、太ももの付け根、手首(利き手ではない方の手首)、手のひら、腰のいずれかで測ります。
MD法
【所要時間:約5分】
手を検査機器にのせ、エックス線で撮影し、得られた画像から骨密度を測定します。
超音波法
【所要時間:10秒~2分程度】
かかとの骨に超音波を当てて、超音波の伝わる速度から骨密度を測定します。
健康診断などで用いられます。
レントゲン検査
主に胸や腰の骨のエックス線写真を撮影し、骨折の有無を確認します。
採血や検尿による骨代謝マーカーの測定
血液や尿の中に含まれる骨代謝に関係する成分[骨代謝マーカー]を測定して骨の代謝の状態を調べます。
骨の代謝とは、骨の破壊と骨の形成が繰り返されることですが、そのバランスが崩れると骨の量が減り、骨粗鬆症となります。
骨代謝マーカーの測定によって、閉経による急激な骨代謝の変化を確認したり、治療薬を選ぶときの基準としたり、治療効果を判定したりできます。
骨代謝マーカーで
骨の代謝を検査
ビタミンDは血液検査で測定することができます
体内におけるビタミンDの栄養状態は血液中の25-ヒドロキシビタミンD[25(OH)D]濃度という指標を用いて確認することができます。
血中25(OH)Dの測定は国内ではかつて健康保険の適応対象ではありませんでしたが、2016年8月にビタミンD欠乏性くる病・骨軟化症を対象に保険適用となり、さらに2018年9月には原発性骨粗鬆症に対しても保険適用となりました。
一般的には、25(OH)Dの濃度が20ng/ml以上30ng/ml未満の場合を「ビタミンD不足」、20ng/ml未満を「ビタミンD欠乏の状態」と判定されます1)。
1) 岡崎 亮, 他:日本内分泌学会雑誌 93(Suppl. March):1-10, 2017.
監修 : 鳥取大学医学部保健学科 教授 萩野浩先生
2020年12月作成