おしえて骨粗鬆症
1.骨粗鬆症とは?
- 骨粗鬆症ってどんな病気?
- 骨粗鬆症の症状
- 骨粗鬆症で骨折しやすい部位とは?
- 骨折するとどうなるの?
- 骨粗鬆症になりやすい人とは?
- 思い当たることはありませんか?
骨粗鬆症になりやすい人とは?
高齢者や女性に多い骨粗鬆症
骨の量[骨密度]は男女とも一般的に、20歳代から40歳代にピークを迎えます。それ以後は45歳くらいまで維持、またはわずかな減少を続け、その後、年齢とともに徐々に減少していきます。
もともと女性は男性に比べて骨の量が少ないことがわかっています。
女性ホルモンは骨の代謝のバランスを調整しています。女性の場合、閉経による女性ホルモンの著しい減少によって骨を作るはたらきよりも骨を壊すはたらきが多くなり、急激に骨の量が減少し骨粗鬆症(こつそしょうしょう)となってしまうのです。なお、骨粗鬆症は女性に多い病気ですが、男性でも、一般的に70 歳を過ぎると骨粗鬆症の危険範囲に入ることがあります。
骨粗鬆症は、女性に多いことが特徴ですが、骨粗鬆症による骨折は男女ともに高齢になればなるほど起こしやすくなります。寝たきりの原因となりえる太ももの付け根の骨折も年齢が上がるにつれてリスクが高まりますので注意が必要です。
Orimo H, et al.; Osteoporos Int 27(5):
1777-1784, 2016より作図
高齢者や女性以外でも
過去に骨折したことのある人、タバコを吸う人、お酒を多く飲む人、ステロイド系のお薬を使用している人、両親に骨折歴[特に太ももの付け根の骨折]のある人、運動不足の人や、体を動かすことが少ない人は骨粗鬆症になりやすいといわれています。
運動には骨粗鬆症による骨折を予防する効果がありますので、寝たきりにならないためにも体を動かす習慣をつけることが大切です。
骨粗鬆症になりやすい人
- 骨折したことのある人
- タバコを吸う人
- お酒を多く飲む人
- ステロイド系のお薬を使用している人
- 両親に骨折歴のある人
- 運動不足の人や、体を動かすことが少ない人
太ももの付け根の骨折に注意しましょう
骨粗鬆症による骨折が原因で「寝たきり」の生活になってしまうことが多いことが報告されています。
しかし、骨粗鬆症でありながら実際に治療を受けている人の割合は低いといわれています。さらに、治療を始めても痛みなどの自覚症状が乏しい病気のため、自己判断で途中で治療をやめてしまう人がいることも問題となっています。骨粗鬆症は自覚症状があらわれにくい疾患ですので、寝たきりの原因となりえる骨折を予防するためには、早めの検査による治療開始と治療の継続が大切です。
太ももの付け根の骨折を起こすと、治るまで歩くことができず、高齢者ではそれがきっかけで寝たきりになることが問題となっています。寝たきりにならないためにも、太ももの付け根の骨折の原因となりえる骨粗鬆症の予防と治療が大切です。
若い人も注意が必要?
骨粗鬆症は、「お年寄りの病気」と自分には関係ないことと考えがちです。 しかし、若いからといって骨粗鬆症にならないとも限りません。特に女性は若い頃の生活習慣[過度なダイエット、 日焼け対策など]が骨粗鬆症に深く関わっていることを意識しておくことが大切です。
ビタミンDと日焼け止め
監修 : 鳥取大学医学部 保健学科 教授 萩野 浩先生
2020年12月作成